院内ブログ

自宅でできる検査 ④呼吸機能検査

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CHESTGRAPH HI-105

「呼吸機能検査」
と聞くとピンとこない方もいらっしゃるかもしれませんが、「健康診断で肺活量や何やらを測る検査」と聞いたら「ああ、あれ」と思い出すかも。
洗濯ばさみのようなクリップで鼻を挟まれ、マウスピースをくわえて「思いっきり吸って―――! はい、そこで思いっきり吐いて―――! もっと、もっと――!!」と叱咤激励されながらやる アレです。

以前呼吸疾患の勉強会に行った時、講師の先生に「自宅でも検査できる」と これをご紹介いただき、さっそく購入しました。
在宅では
1.呼吸障害の程度を評価する
2.治療効果を判定する
ために使うことが多いです。

特に、さくらクリニックではALSの患者さんを大勢拝見しています。
呼吸障害の評価としては、主に血ガス分析を使いますが、それだけでは小さな変化を捉えられないことがあります。
特に若い方、元々呼吸機能がともて良い方は、呼吸筋の麻痺がかなり進行しても 血液ガスのデータが正常のことがあります
例えば「肺活量が30%」はかなり深刻な状況なのですが、血ガスでは血中酸素も二酸化炭素も正常で、呼吸苦も感じない、という方もおられます。
そういう方が、ある日突然、あるいは軽い風邪がきっかけで、一気に深刻な状況となる。そういう悲劇を避けるため、呼吸機能検査がとても役に立ちます。

「急変を防ぐ」以外にも、ALSで呼吸障害を早め早めにとらえる意義はあります。
■ひとつは 呼吸器を使うかどうかという重大な選択をするのに、なるべく時間的な余裕がほしい、ということ。
■もう一つは 呼吸機能が進行すると胃瘻を作る手術のリスクが高くなるので、タイミングを逃さずに決断したいということ。
(一般的に、肺活量が50%以上あるうちに手術することが勧められています。)

災害が起こること自体は避けられないけれど、予備知識と防災対策で 被害をなるべく抑えることはできますよね。
ALSは今のところ治すことのできない難病ですが、これから起こりうることを予測して、手を打つことはできます。
変化の過程で ダメージを最小限にするように、病気について少しずつ知ってもらい、どんな風に病気と付き合ってゆくのか、余裕をもって一緒に考えていけるように。
少しでも役に立てるパートナーでありたいと願っています。

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喘息や肺気腫など(閉塞性肺疾患)では、主に1秒率が参考になります。「思いっきり吐いて―!」で最初の1秒に吐けた空気の割合です。病気の重症度を評価したり、吸入剤や内服薬の効果を判定する指標となります。
(ただし、数字よりご本人の自覚症状の改善が第一です😊)

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さくらクリニック 院長 佐藤 志津子
さくらクリニック 院長
佐藤 志津子
覚悟の瞬間 医療法人社団緑の森さくらクリニック 佐藤志津子

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