ご利用者の作品集:旅行記編(2編)

さくら通信に掲載させていただいたご利用者さんの作品の中から「旅行記」などの作品をご紹介します。(お名前はご本人の了承を得て掲載させていただいております)

「伊豆高原の旅」高田豊長様作

私、高田せつ子は左脳出血で、3ヶ月の入院生活を経て、自宅で療養して3年余、身内も主人と私にそれぞれ弟が1人いるのみで、主人と2人暮らしでしたので、主人以外は私の世話をしてくれる人がいません。時折主人の弟(独身)と私の弟夫婦が来てくれてますが、ずっと主人に迷惑をかけています。

介護5、障害1級で、少し認知症、左足左手麻痺、右手右足硬直状態で寝たきりの闘病生活です。
今までお医者にかかった事がなく、介護保険申請に主治医はと聞かれて困ったくらいお医者嫌いでした。
今はやさしい佐藤先生に診ていただいて安心です。

倒れるまでは、元気で10歳は若いと言われて健康には安心していました。毎年四季のシーズンには実家(今は弟の代ですが)の別荘にきていました。ひとりで3ヶ月いたことがありました。

私はお花が好きで、伊豆高原駅のお花屋さんや、時折り立つ駅前の植木市に出かけて行って、いろいろなお花や植木を買ってきて植えました。みかん、うめ、かき、びわ、ブルーベリー、きんかん、かぼすなど実のなるものをたくさん植えました。花は、椿、あじさい、つづじ、ぼたん、暖かい地なので、サボテンなど南の植物とありました。庭には自生の大きな大島桜、ひめしゃら、樫の木が自然のままありました。

今回行って、庭の手入れが起き届かず、お花がかわいそうでした。弟も仕事に追われて別荘どころではないのでしょう。

さて、今回の旅行の話しをしましょう。主人は私が伊豆高原が好きだったので、一度見せてやろうと思いたったのでしょう。私をつれていく計画をしてくれました。

介護が必要なので、現地でヘルパーさんを調達できるかどうか地元の人に尋ねたり、行く為の車をどうするか、義弟と相談して、やはり安全を見て、ストレッチャーを雇うことにしました。そして、おむつや胃ろうと経口食材の準備や薬品の用意、万が一に備えて吸引機を持って行きました。車椅子や着がえなどのトランクが2つ、車の中はいっぱいでした。

出発当日はあいにくの雨で、幸い出ぎわに雨はやみ、濡れずに車に乗る事ができました。山手通りを走って、高速に入るトンネルを抜け、雨の降りしきる東名高速道をはしりました。熱海を過ぎる頃は大雨で、135号線も対向車が2?3台、道路独占で、あっという間に無事着きました。
私はその間ずっと寝ていました。

予定の時間に着き、近所の人やお願いしていたヘルパーさんが出迎えてくれました。一週間の滞在はあっという間に過ぎました。この間ヘルパーさんが来てケアしてくださいました。訪問入浴もやってもらい、温泉のお湯をバケツで運んでくれて温泉入浴ができました。

幸いお天気に恵まれ、毎日車いすで家の周りを散策できました。うぐいすのさえずりがしっきりなしで、庭の大きなしだれ桜は散ってしまいましたが春らんまん。

“庭の奥 うぐいすの声 リスの声” 主人の句です。

私は今は食べられませんが、元気な頃は、いせえび、あわび、さざえが大好きで、沢山食べました。
主人が煮て、ミキサーにかけて食べさせてくれましたが、昔の味は忘れられません。

伊豆も思ったより簡単に行かれ、地方都市にも介護サービスの会社がたくさんあり、ヘルパーさんも大勢いて、理学療法士さんや、訪問診療のお医者さんや看護師さんもいるそうで、伊豆へ引越してこようかなと思いました。せめて、主人にもう一度伊豆高原行きを計画するようお願いをするつもりです。

「旅のすすめ」村松恵美子様

旅行好きの主人と年に数回(冬季を除く)温泉巡りを楽しんでおります。とは云うものの主人は要介護5で車椅子。嚥下(えんげ)障害もある為、旅館選びやその他いろいろと工夫が必要になっております。

主人の病名は「脊髄小脳変性症」(小脳の萎縮により徐々に手足の動きが緩慢になる)難病で特効薬はなくリハビリが有効である。週1回リハビリ病院に通院しており、家でも朝・晩のストレッチや嚥下体操を行なっております。頻繁に出かけるようになったのは定年を過ぎた頃から、そしてその頃前述の病気を発症しました。平成15年頃には歩行困難となり車も助手席が90度回転するものにしました。身体の不自由が増すにつれ旅行時の持ち物も増えてゆき、現在は吸引機(時々痰がらみがある為)・持ち運びが可能な低反発マット(褥瘡予防)・吸い飲み・トロミ剤・エンシュア・らくらくゴックン・パックの介護食・首のコルセットetc。それでも行く先々の景色の中で、その土地の空気に触れ、おいしい食を味わえることが心の張りになっているようです。

今年10月の初めに宿泊したペンションが時に印象深いものでしたのでご紹介いたします。場所は清里の駅近く、ご夫婦で経営されている「雅樹雅」(アジュガ)というこじんまりとした木の温もりのある家。手に入れた花々が美しい庭でそこからの眺めもよい。ご夫婦もとても親切で部屋に入ると親戚の家に来たような安らぎを覚えました。食事もとても美味しく大満足でした。そして1ヶ月くらい前からミキサー食にしている主人にとり、各々の料理をミキサー食にしてもらえたことが嬉しかったです。そしてその食事を完食したのは驚きでした。バリアフリーの宿は結構あるのですが、ミキサー食までもとなると今までで、ここが初めてでした。嚥下障害のある方には特にお薦めの宿です。帰るとき車から姿が見えなくなるまで見送ってくれた御主人に感激してしまいました。また訪れたいと思います。

今回はリハビリ仲間の友人(同じ病)と3人旅で賑やかで楽しいものでした。どなたからか「旅は最高のリハビリ」心のリハビリでもあると聞きました。明日からまた頑張っていこうという気持ちが湧いてきます。

皆様も是非旅をする機会を作られたらと思います。この様に安心して旅が出来るのも日頃、院長先生に(主人の介護者も)体調を診て頂いているお陰といつも感謝しております。

いざという時には夜でも対応してくださるクリニックの皆様、心強い限りです。今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。

さくらクリニック 院長 佐藤 志津子
さくらクリニック 院長
佐藤 志津子
覚悟の瞬間 医療法人社団緑の森さくらクリニック 佐藤志津子

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