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「進撃の巨人season3」が進撃を開始したわけだが・・・

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注)
この記事は、「進撃の巨人」を全然知らないとか興味がない人が読んだら 時間の無駄遣いになる可能性が高いので、ここでストップしてください。
そして、読む方は若干のネタバレをご容赦ください。

わたしは進撃の巨人ファンなのですが、どのくらいファンかと言うと
・単行本は全て持っている(Kindle本)
・アニメは全部観た
・映画3作は全部映画館で観た
・お気に入りの考察サイトにしょっちゅうチェックを入れる
・別冊マガジンは発売日の毎月9日、午前1時過ぎにAmazonのKindleストアで配信されるのを今か今かと待って読む
程度のファンです。

ちょっと変わったオプションとしては、
・超大型巨人のマスクを持っている
 ☟ゴム臭い。あんまり受けない。

・一昨年 ボリビアのウユニ塩湖に行った時、わざわざこのマスクを持参し、トリックアートを撮影した。タイトルは「巨人 ついに友好的」。我ながらいい出来。
因みに巨人は現地で知り合った台湾の方だが、進撃の巨人を知らず、けっこう迷惑そうだった。多謝。

さて、何はともあれ進撃ファンの私は、「season3はNHK」と聞いて 不吉な胸騒ぎを感じていた。

初回「狼煙(のろし)」

7月22日(日)24時35分~59分という不思議な時間枠は、さすがにNHK。CMを除くと正味はこれくらいということね。

で、感想はというと、腕組んで下向いて「うーーーん・・・」と考え込んでしまった。

プロローグ。砂浜で海に向かって立つエレンの後ろ姿。髪型がちょっと変わって、輪郭がほっそりとして、大人びている。

エレンのモノローグ。
「壁の向こうには 海があると アルミンが言った。
海の向こうには 俺は 何があると思っていたんだろう。」

今は「壁の外」の真実を知っているファンには、何とも切ないシーン。(涙)

ここは、22巻の表紙に呼応している。

海のシーンは22巻最終話 「壁の向こう側へ」
プロローグでこれが来たということは、今期は原作の13巻(51話)から22巻(90話)まで、とかなりの大分量を扱うということ。
大きな山がふたつ。前半は革命、後半はシガンシナ決戦。どちらもスケールの大きい 壮絶な物語だ。

これはもう、2クールないと無理。というか、2クールでも端折るところが出るだろうなぁ、と思ったのだが・・・、その予測すら甘かった。

壮絶なカット・カット・カットの連続に、からだを削がれたような痛みを味わったファンは、私だけではなかったはず。なぜ、物語の核となる重要なエピソードを、こんなに徹底的に駆逐したのか?
革命編は時系列が混乱してわかりにくいので、あとでわかりやすく繋げて見せてくれるつもりなのか。(NHKならそういう余計なお世話をやくかも) でも尺的にかなり厳しいと思うのだが。・・・

リヴァイ兵長の「ケェエエエニィイイイイーーー」の絶叫でやっと止まったわけだが、 24分間で、13巻 51話「リヴァイ斑」から14巻 57話「切り裂きケニー」まで一気に進撃してしまった。

その結果、駆逐された重要なエピソードの数々
・ヒストリアの出自と、調査兵団に入るまでの子供時代。
・ついでに壁の王であった姉フリーダについての物語。(OPで姉妹のメルヘンチックなカットが1個挿入される)
・調査兵団はリーブス商会と手を組む。
・エルヴィン団長は調査兵団にクーデターを指示する。
・エルヴィン団長はピクシス司令にクーデターを持ち掛け、その中で父親と幼い自分との思い出を語る。
・中央憲兵団 サネスさんが、ハンジさんとリヴァイ兵長から壮絶な拷問を受ける。(ニック司祭を拷問死させた仕返し)

さて、これだけカットして端折って、この先どう展開していくんだろう。
例えば、ヒストリアが壁の王の末裔であったことは、サネスさんを拷問で痛めつけた挙句に策略で吐かせたんだけど。
リーブス商会の会長さんは、調査兵団に協力したばっかりに、ケニー・アッカーマンに首を掻っ切られて殺されてしまう。そしてエレンとヒストリアが真の王家であるヒストリアの父親に拉致られて・・・と進んでいくのだけれど。
さきほども書いたが、親切心で分かりやすいように編集して、後日出してくれるのかも。

現時点で決めつけるのはよろしくないが、第一話を観ての正直な感想は 「残念」でした。
ちなみに私の同世代の人間は、単行本は読んでもアニメは観てない人が多い。
原作を読まずアニメは全部観ている人に感想を聞いてみたら、
「よくわからなかった」
「つまらなかった」
と言っていた。

それにしても「やっぱり、NHKは止めておいた方がよかったんじゃ・・」という気がしてきた。
何しろ知性を持たない巨人が人を食らい、その巨人の正体は実は人間で、壁で囲われた小さなエルディア国の外の世界では、エルディア人の同胞が更に過酷な運命を生きている、という、きわめて非人道的な救いようのない作品だ。
拷問したり政府転覆したり首を掻っ捌いて殺したり、を原作のティストを損なわずに描くのは、国営放送ではちょっと厳しいでは。民放の深夜枠で、ひっそり(でも一切制約を受けず、自由に)やってもらった方がよかったのでは・・・。
ウウウ・・・初回からグチを垂れてゴメンナサイ。

その他 気になった点
・作画・作風
線が細くなって、少女漫画ティストが。スタッフが変わったのか?
すでにポスターの段階から「ん?」という違和感はあった。リヴァイ兵士長がナヨッとした感じなのも、気になっていた。

動くとまた別の違和感が。
リヴァイ兵士長が「ケェエエエニィイイイイーーー」と絶叫するシーン。
原作では

これがアニメだと

怖い。
いや、怖い人なんだけれど、アニメの方は不気味な怖さがある。
なんで顔の中央に蜘蛛みたいな影ができているんだろう?
かつニヒルで感情を表に出さないリヴァイ兵長が、思い切りダイナミックに絶叫しているので、びっくりした。

・OPの幼馴染トリオ
これも少女漫画チック、ということになるんだろうな。特に水彩画様のやつ。

うーーん。
過酷な現実と、幸福な幼少時代との対比、という意図かもしれないけど、このキラキラはちょっと恥ずかしい。
そしてミカサは、子供時代でもこんなに屈託のない笑顔で笑わない

ということで、二人のアッカーマンに、申し訳ない気持ちです。(なぜ私が?)

こうして私が、アニメ第一話から不平不満を垂れ流すのも、ひとえに原作愛ゆえ。
裏を返せば、原作ファンがどれだけ深く原作を愛し、大事しているか、ということなのだと、NHK様には寛大なお心で赦していただきたい。
(実写化した時も、壮絶ともいえるバッシングがあったですね。)

さて、エレンたちが海をみてから、物語はエルディア国から離れ、ライナーたちの故郷に物語を移した。

そこからがこの作品の本当にすごいところ。
善と悪、被害者と加害者は、視点を入れ替えることで相対化される。
壁内人類を地獄に叩き落したライナーさん(鎧の巨人)は、ひょっとしたらエレン達より辛く、不幸だ。

身も心も血を流しているライナーさん。初期の頃よりイケメンになった。

挙句にエレンは、少年漫画のヒーローが絶対にやっちゃいけない一線を超えてしまった。(秘密)
復讐の連鎖。連鎖する毎に拡大してゆく憎悪。そしてまさかの策謀。
「世界観」と軽々しく言うのは私は大嫌いなのだけれど、この作品は「世界観」と呼んでいい重厚さとスケールを持っていると思う。
それでいて緩急をつけて、時々ちゃんと笑わせてくれるのもニクい。
初回では、「リヴァイ斑」の掛け合い漫才のところは殆ど削られてなかったのでホッ。

物語はいったいどこに向かい、どこに行きつくのか。
進撃すればするほど救いようがなくなっていくので、正直困っている。(なぜ私が?)
原作者の諌山先生には、大人の事情とか全く気にしないで、好きなだけ好きな風に描いていってほしいと思う。
というか、むしろ 物語は、作者の意図で動かすというより、自ら転がっていく、という境地に達しているようにも感じられる。
日本のアニメ文化が世界に誇る超大作(ダークだけど)として、ゴールまでがんばってほしいです。

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