練馬

新しいパーキンソン病の治療法(中野区DAT講演会)②

さくらクリニック練馬 院長の佐藤です。
LCIG(デュオドーパ)その2です。
ここでは
進行期のパーキンソン病では 何が問題になってくるのか
について 書きたいと思います。

ムツカシイので、医療関係者じゃないと読みにくいかも。
でも 長年パーキンソン病とお付き合いしてきた患者さんやそのご家族なら、「あるある」「そうそう」と感じるところがあるんじゃないかと思います。

■進行期パーキンソン病とは?

「ウェアリング・オフ」wearing off
「ジスキネジア」   dyskinesia
など、L-ドパ製剤の長期服用に伴って生じる運動合併症が起き始めた状態

とされています。ざくっと言うと、
・ウェアリング・オフ

薬が効かない時間帯が出てくる・増えてくること
時にはスイッチを入れたり切ったりするみたいに症状が変動するので、「on-off」という言い方をすることもあります。
・ジスキネジア
薬が効きすぎて からだが勝手に動いてしまう
手足、胴体、首、口元などなど、いろんな部位に症状が現れます。動きは様々ですが、「クネクネ」が多いです。

ウェアリング・オフとジスキネジアは、セットで出てくることが多々あります。なぜか?
下のシェーマに沿って解説します。

時間軸は向かって左から右。
パーキンソン病発症から順にハネムーン期 →運動合併症発現期 →レボドパ抵抗期
濃いオレンジ色の曲線はレボドパの血中濃度の変化です。
血中濃度のカーブは同じなのに、経過とともにオレンジ色の帯=「有効治療域」がどんどん狭くなっていきます。
有効治療域に置き換わる形で、下方はオフ、上方はジスキネジアの時間帯がどんどん増えていきます。

治療としては、レボドパの血中濃度を 適正な範囲内でなるべく一定に保つよう工夫します。
具体的には
・内服回数を増やす
・レボドパの分解を遅らせる薬の併用
・血中濃度が安定しているアゴニスト(レボドパじゃないけれどドーパミンの受容体を刺激してくれる薬)の併用
等々。
でも、服薬回数も服薬量も限界があります。

■進行期パーキンソン病の指標
下のいずれかがみられる場合は「進行期パーキンソン病」を強く疑います。
1.レボドパの服薬回数が1日5回以上
2.オフ時間が1日に2時間以上
3.日常生活に支障を生じるジスキネジアが1日1時間以上

これだけでも相当不自由なのですが、残念なことに運動症状だけではありません。「非運動症状」も合併してきます。

私たちが訪問診療でお付き合いしている患者さんは、ほぼ全員「進行期」の方です。
さらに 自律神経症状(排尿障害、頑固な便秘、起立性低血圧など)が合併することも多々あります。
薬で治療できる神経難病」とは言え、これだけたくさんの症状と付き合ったり闘ったりしながら暮らしておられるのです。

☞その3に続きます

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