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人生初!標高4000mに降り立つ

人生初!標高4000mに降り立つ



今月のスタッフブログ担当は相談員・菊池です。

今回は私の2019年一番の思い出になった南米(ペルー/ボリビア)旅行についてお話ししてみます。

長年憧れていた世界遺産のマチュピチュや、日本でも有名になったウユニ塩湖へ旅したのが今年の2月、ウユニ塩湖が鏡張りになる時期を狙って計画しました。標高差を日程順に表すと

ペルー リマ(0m)→クスコ(3400m)→マチュピチュ(2000-2720m)→クスコ→ボリビア ラパス(4000m)→ウユニ塩湖(3700m)です。

クスコの街を歩く民族衣装のおばあちゃん

まずは日本からアメリカ西海岸・ペルーの首都リマを経由しマチュピチュの拠点となる古都・クスコへ。ここで既に標高3400m、富士山の8合目~9合目くらいです。緩やかな坂や階段を数歩上るだけで息が切れます。因みに空港に到着した時点で高山病に罹患する方もいらっしゃいます。ですので旅行会社の方の勧めもあり、初日はクスコで4時間程度散策し少しだけ身体を慣らした後、早々標高2000mのマチュピチュ村へ向かいました。

 

 

同行した夫は普段からスポーツ(オリンピック競技として話題になっているボルダリング)をしており体力には自信があるものの、クスコでも私以上に息切れをし、階段では深呼吸しながら足を上げていました。マチュピチュ村について楽になったと思っていたら、その日の夕方 宿に着いて1~2時間横になって休んだところ起きたら「頭が痛い、だるい・・・」などと弱気な発言。どうやらそこまで高地ではないもの高山病になってしまった様子。

 

予防薬なども持ち歩いていなかったため(基本的に高山病にかかったら低地に降りることが一番です)、こまめに水分摂取する(現地で良く飲まれるコカ茶がお勧め)、横になってばかりでなく適度に起きておく、事を心掛けました。翌日早朝からのマチュピチュ遺跡散策(標高2430m)・ワイナピチュ登山(標高2720m)は夫も何とか乗り切りマチュピチュ村へ戻ってからは少しだけ地ビールで乾杯できました。

 

その後クスコで観光してから次の目的地ボリビアの首都ラパスへ。この旅一番の難所はラパスのエルアルト国際空港です。飛行機降りたらそこは標高4000m、人生初体験の高度です。飛行機のドアが開き、外気が入り込んできて間もなく、夫が声を漏らしました「空気が薄い・・・」。私はといえば、体感的にそこまでは感じられず、労作時に少しゼーゼーするくらいです。動かなければ特に何ともなかったので、安静時に苦痛が少ない呼吸器疾患の患者様の気持ちが少しわかった気がします。

 

ラパスは町全体がすり鉢状の地形の中に位置しており、お金持ちや行政機関はすり鉢の底辺に集中しています。空港がある地区などすり鉢の淵に当たる地域は貧困層が多く、移動にも困難を伴いましたが(中心部に向かう道路は慢性的に渋滞、電車などの交通機関はなし)近年渋滞解消の一環としてボリビア政府が整備したロープウェイ(テレフェリコ)が10路線程あり通勤通学の足として、また観光スポットの一つとして脚光を浴びています。

 

4000mの高地を後に、残りは最後の目的地ウユニ塩湖です。ウユニ塩湖は地球上最大の塩湖であり、南北約100キロメートル (km)、東西約250 km、面積約10,582平方キロメートル (km2)もあります。四国の半分程度の大きさだそうです。標高は約3700mで富士山山頂とほぼ同じです。

雨が降らない時期は塩原として純白の世界を楽しむことができますが(以前の佐藤先生のブログをご参照ください)、雨季となり雨水が一定量溜まり2-3cm程度の水深となると、日本でも有名な塩湖としての姿に変わります。風がない日には水面が波立たず、空の模様をそのまま反射する「鏡張り」(現地のドライバーもこの言葉を使います)の状態になります。

満月の夜には天の川の鏡張りが見えることもあるそうですが、生憎私たちの訪問時には薄く雲がかかって星をみることは叶いませんでした😢それでも、やっぱりこの地に来ることができて本当に良かったと思える光景に出会うことができました。長期のお休みを許してくれたクリニックと同僚の皆様に心よりお礼申し上げます。

※国内で高山病の予防薬として紹介されることもあるダイアモックスですが、扱っている医療機関も少なく、予防薬として処方する場合(治療のための薬ではないため)保険適用外ですでのでご注意ください。ペルーやボリビアの空港、街中の薬局などで soroche (ソローチェ/スペイン語で「高山病」)用のピルといえば手軽に購入することができます。

 






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