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ウイルスvs免疫

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<人間を最も殺している生き物ランキング>第一位はライオンでもサメでもワニでもなく、夏になるとどこからともなくたくさん現れるあの生き物、、、そう、蚊です。蚊が媒介する感染症により、世界では年間75万人の人々が亡くなっています。

蚊が人を刺す際、吸血する前に血の凝固を防ぐ唾液を注入するため、これが原因でかゆみが何日も続きます。

この「蚊に刺されただけ」で人体の免疫に大きな影響が及ぶとの研究報告がでました。蚊に刺されるとヘルパーT細胞、ナチュラルキラー細胞、ナチュラルキラーT細胞、CD8+T細胞、単球、マクロファージといったさまざまな細胞が免疫反応を起こし、この免疫反応が皮膚や血液、骨髄など体組織のあちこちで確認され、刺された後も7日間にわたって検出され続けるとのことです。

また、他の研究で、蚊に刺されて感染症にかかると、注射針で同じウイルスを接種した場合よりも重症化するリスクがあるとの報告もあります。

これらの研究結果は、蚊に刺されて体内に侵入したウイルスは全身に広がり、長期的に体の組織にとどまり、免疫反応を活発にする可能性があるということを示唆しています。

最近ニュースで流れない日がないワクチン問題。これらの研究が進み免疫反応のメカニズムが特定されることによって、効果期間の延長など様々なワクチンの改良につながれば、もしかしたら、蚊が<人間を最も救っている生き物ランキング>の一位になる日がくるかもしれませんね。

ちなみに今回の写真はフィラリア(蚊が媒介する動物の感染症)予防後の我が家のペット達でした。

(院長・山崎麻央)






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