🌸自宅で出来る呼吸障害の治療方法🌸
🌸自宅で出来る呼吸障害の治療方法🌸
2018年12月26日
呼吸障害を抱えながらご自宅で療養されている患者さんも、たくさんおられます。
今日は、ご自宅で具体的にどのような治療をしているか、ご紹介させていただきます。🌸
① HOT (在宅酸素)
② NIPPV(非侵襲式呼吸器)
③ TPPV(侵襲式呼吸器)
みなさん、こんにちは。
診療助手の荒川です。
どうぞよろしくお願いいたします🌸
💡「呼吸障害の治療方法」は大きく分けて3つあります。
①在宅酸素(HOT)
酸素を十分に取り込めない病気の方に使用できます。
最近はサイズがずいぶんコンパクトになって(大きな加湿器と同じくらいの大きさ)、場所をとらずに使えるようになってきました。
(☟ Philips様からお写真をお借りました)
酸素を吸入するためには、カニューラやマスクを使います。
(☟カニューラ)
(泉工医科工業株式会社様から画像をお借りしました)
(☟マスク)
(国立長寿医療研究センター臨床工学部様から画像をお借りしました)
(こんな感じで装着します☟)
在宅酸素は、肺気腫、間質性肺炎などの呼吸器系の病気の他、心不全の患者さんや、神経難病で呼吸が弱まっている方もお使いになれます。
ただし、自発呼吸がある程度できる方でないと、十分な効果を得らえません。
呼吸自体が弱くなっている方には、以下に述べる「②非侵襲式呼吸器」や「③侵襲式呼吸器(TPPV)」という方法があります。
②非侵襲式呼吸器
(NIPPV :Non-invasive positive pressure ventilation.商品名になりますが、現場ではBiPAP(バイパップ) と呼ばれることもあります。)
(↑人工呼吸器の機器です。以外とコンパクト😊)
下のように、鼻マスクや鼻口マスクを顔にあてて使用します。
一般の方にあまり馴染みがないと思いますが、これもれっきとした人工呼吸器です。
在宅酸素(HOT)との違いは、マスクを顔に密着させて圧をかけて空気を肺に送り込むことです。
(☟鼻マスク)
(☟鼻口マスク)
★メリット★
・顔にマスクを着けるだけなので、気軽に試せる
・気管切開しなくていいので、自宅で始められる
・試してみて、イヤだったらやめることができる
★デメリット★
(*個人差はあります)
・顔をマスクが覆ってしまう不自由さや鬱陶しさがある
・食事や会話に制限を生じたり、口腔ケアがし難くなったりと不便なことも
・呼吸補助能力には限界があります。
③侵襲式呼吸器
(TPPV:Tracheostomy Positive Pressure Ventilation)
気管切開して、カニューレを装着し、そこに呼吸器を繋げます。
呼吸状態が急変して、緊急治療として装着する場合もあるし、神経難病の進行の過程で、”その選択”を迫られることもあります。
(☟人工呼吸器を装着されているお写真です。患者様にご協力いただきました)
★メリット★
・呼吸補助力は3つの中で最強(自発呼吸がゼロでも完全に呼吸をサポートできます)
・気管切開して直接呼吸器をつなぐため、お顔を覆うものがありません。お顔がすっきりしますし、口腔ケアが非常にやりやすいです。
・声帯麻痺が進んでいなければ、カフエア*を抜く等の工夫をして、発声も可能です。
*カニューレの構造については、この後、別のブログで詳しく説明させていただきます。
★デメリット★
・TPPVを装着したら、外せなくなる可能性があります。
(病気にもよります。神経難病で呼吸障害が徐々に進行する方の場合は、着けたらまず外せません。)
以上、ご自宅で行われている、呼吸障害の治療法をご紹介させていただきました。
少しはご参考になりましたでしょうか?
先生が患者さんに ③侵襲式呼吸器 の説明をされると、「カニューレ」のイメージが伝わりにくく、「カニューレってどういうもの?」、「どうやって入れるの?」、「入院して交換するの?」等々、たくさんのご質問をいただきます。
そこで、次の記事で実際に「そもそもカニューレとはどんなものなのか」、「ご自宅で実際どのように交換しているのか」等々、お写真と動画でわかりやすくご説明したいと思います。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました!