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🌸やっぱり野球でしょ🌸

🌸やっぱり野球でしょ🌸



さくらクリニック練馬 院長の佐藤です。

立て続けにヒガシ氏のブログいきます。
今回は、元・野球少年 ヒガシ氏の野球への想い。
相変わらず楽しいですが、ちょっと切なくなるエッセイです。

ぜひご一読ください⚾⚾⚾

 

ALSになって・・・

ALSになって家にいるようになってからはテレビばかり観ているのだが、私の生活においてスポーツが欠かせない存在になっている。
オリンピックや各種ワールドカップはもちろん、最近はパラリンピックも観ることが多くなった。まあ私が障害者になってしまったからね、そりゃあ興味はあるさ。

やっぱり野球でしょ


でもやっぱり野球でしょ。
午前中はメジャーリーグ、夜はプロ野球、そして春と夏は甲子園、まさに野球三昧だ。ああ、記憶に残る名シーンがいくつも思い浮かぶ。

メジャーは大谷もステキだけど、やっぱりイチローなんだよ。数々の安打記録、惚れ惚れしちゃうよ。そして最後の東京ドームでの引退試合はしびれたよねぇ。

だけど私が一番びっくりしたのは……あれはたしかヘルパーさんと朝の情報番組を観ていたんだ。すると、『イチロー、ヤンキースへ電撃移籍!』のニュースが。「ハァァァッ!」っと、ヘルパーさんと二人しておったまげた記憶がある。

プロ野球は二人。まず最年少三冠王のヤクルト村上だ。シーズン最終打席で王さんの記録を抜いて56号とはな。そして最年少完全試合のロッテ佐々木だ。圧巻だったのは三振よ。13者連続を含む19奪三振だぜ。ヤべェよ。

いやぁ~二人とも若いのにとんでもない記録を残しやがった。佐々木はメジャーに行っちゃったけど、まだ早い気がするんだよなぁ。

甲子園は何年か前の夏の決勝、智弁和歌山 VS 智弁学園だ。甲子園で過去に2~3回やってるのは知ってたけど、まさか決勝でぶつかるとは。優勝した智弁和歌山は見事だったけど、ユニフォームが同じだし区別できないよなぁ。

野球してーなぁ


あ~あ、私も野球してーなぁ、発症前に戻りてぇ。

ケガとかで一部の身体障害だったら良かったのに。例えば下半身がマヒで上半身がピンピンだったら、車椅子で野球とかできそうじゃね? ということで車椅子野球を検索してみた。

ほう、車椅子野球もあるみたいだけど、ん? ないのか? ちょっとよく分からない。それよりも車椅子ソフトボールの方がメジャーっぽい。そりゃそうか、ボールは大きいし危険性も低いのかな。あ、日本代表もあるみたい。こりゃ世界的に見ても競技人口は相当いるんじゃないかなぁ。

でもなーんかな、イメージが違う。野球といえば広いフィールドで打って守って走って、無我夢中で白球を追いかけるイメージだ。車椅子だと動くエリアをそこまで広げられない気がする。競技者の方には申し訳ないけど、私はこの競技は選ばない。

それならば、足は異常がなくて手が使えなかったらどうか。これならフィールドを縦横無尽に走り回れる。でも両手が使えなかったらさすがに何もできないだろうから、片手は使えるようにしよう。う~ん、ごまかしながら何とかできそうな感じがする。問題は手のどこからが使えないかだな。

そうだ、仮に右利きだとしたら、右手にボールを持って、グローブはどうやって扱ったらいいんだ? この場合使えるグローブは左利き用だけだ。ボールとグローブ、どうやって同時に使え……あ、いた。そういう人が昔いた。たしか中学校時代の野球部の一学年上のK先輩だ。

生まれつき左手の指がないのか、ケガなのか、K先輩は障害者だった。右手でボールを投げ、左利き用のグローブを左手で胸に抱え、ボールを投げると素早くグローブを右手にはめる。

「こんな人でも野球ができるんだ」
今思えば信じられないが、当時K先輩に対してそんな風に思っていたことを記憶している。まったく失礼極まりない。

ジム・アボット

ん? そういえば当時のメジャーリーグでそういうピッチャーがいたような……あ、思い出した。ジム・アボット

あまりにも懐かしくてYouTubeを見てしまった。彼は左投手だ。うまくグローブを持ち替えて、左手だけで投球、捕球、送球を行う。そして150キロの豪速球を投げる

ええっ! ソウルオリンピックの決勝で日本相手に投げてるの? ネットで調べるとそんなことが書いてあった。マジやべぇジム・アボット。あとヤンキース時代にノーヒットノーラン達成はなんとなく覚えてる。当時ニュースで見た気がする、『片腕のピッチャーがノーヒットノーラン!』って。

メジャー通算成績87勝108敗。実績は凄いよなぁ、片腕のピッチャーとは思えない。87勝って、並のピッチャーはそんなに勝てねーぜ。

パラリンピック


パラリンピック選手ってみんな輝いてるよなぁ。残ってる能力を鍛え上げ、最大限に競技に活かしている。そういやパラリンピック競技に野球はない。できないからかねぇ……。

ALSの人にできるスポーツってあるのかな。発症前、私は草野球で輝いていた……と思うけど、四肢が動かないんじゃ……ないな。

あ、ひとつあった。eスポーツ! 野球はeスポーツでもできるのかなぁ。でもダメだな、ゲームはファミコンとゲームボーイで卒業した。私の野球ゲームの知識はファミスタか燃えプロしかない。今のゲームはチンプンカンプン。仕方ない、野球は「見る専門」だな。

山村 ヒガシ

ここから先は 佐藤による解説です

ジム・アボット

私はこのエッセイで始めて知りました。
このお方です。

先天性右手欠損というハンディキャップを背負いながら、メジャーリーグの投手! ノーヒット・ノーランの記録も残している。
恐れ入ります。こういうお方がいるというだけで、励みになりますね。

ALSでもできるスポーツ

「僕のいた時間」っていうドラマ、観た方いますか?
2014年にフジテレビで放送されたドラマです。
ALSを発症した主人公を三浦春馬君が熱演していました。
痩せていく様子、動作が不自由になる様子、表情が乏しくなり呂律が回りにくくなる様子、など ものすごくリアルで、相当努力して熱演してくれたんだろうなぁ、とありがたく思ったものです。
ドラマとしても丁寧に作り込まれていて、素晴らしかったです。

春馬君が演じた主人公 澤田 拓人君は元・サッカー小僧で、ALS発症後 一時期電動車椅子でサッカーしてたんですよ。

この中央やや左側にいるのが春馬君です。

YOUTUBEに電動車椅子サッカー撮影シーンが載ってました。
皆さん、上手い! 春馬君も中々上手です。
足元についている金属の柵みたいなのが「フットガード」。車椅子をくるっと回して、ここでボールを蹴るんですね。

このドラマ、制作にあたって何人かのALS患者さんに取材しているんですが、なんとヒガシ氏も取材に協力してるんです!!
だから主人公の何分のいちかは、ヒガシ氏なのでした。

このドラマ、今は無料では観れないみたいだけど、ご興味のある方は是非どうぞ。
お勧めのドラマです。






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