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🌸永遠のテーマ🌸

🌸永遠のテーマ🌸



さくらクリニック練馬 院長の佐藤です。
毎度おなじみの 山村ヒガシ氏の闘病記シリーズ。
今回は「闘病」から離れて、ヒガシ氏が最近のYOU TUBEを見て感じていること、特に「日本に来られた外国人の方が日本についてどう感じるか?」についての紹介とヒガシ氏の感想。
もちろんそれで終わるわけではなく、終章は「ALS患者として生きる自分」に立ち返り、「自分にとっての永遠のテーマは?」という話になっています。
今回のエッセイは、ALSその他の難病で療養されている方々、だけではなく、ほぼ五体満足で日常生活を送っている方々、特に自分の生活にやりがいとか生き甲斐を感じられない方々に ぜひ読んでいただきたいです。

僕の楽しみ YOU TUBE

懐メロやシティポップなどの音楽と、SUSURU TV.や大食いなど、食べる系をユーチューブで見ることが日課になっている私だが、見るジャンルがもうひとつある。
それは外国人にインタビューしたり日本食をご馳走したりして、外国人がどんな反応するかという、まあ『YOUは何しに日本へ?』的なヤツだ。

海外旅行者は日本でこんな風に感じている・らしい
「日本に来て印象に残ったことは何ですか?」
この質問に対して外国人は必ずこう言う。

➀日本人はみんな優しい

ええっ、そんなに優しいかなぁ……と、私には疑問が残る。
彼らが言うには、店員さんはいつも笑顔で礼儀正しく接してくれて、分からないことも丁寧に説明してくれる。道に迷って日本人に尋ねると、場合によっては連れてってくれる。「アンビリバボー!」だって。

おい、そんなの当たり前じゃん! 店員さんはそういう研修を受けるし、時間があれば目的地まで連れて行くだろう、困ってるんだから……と、思っているのは私みたいな海外を知らない日本人だけ。

彼らの国ではそういうことがほとんどないらしい。みんなぶっきらぼうで笑顔なんてあったもんじゃないっていうけど、ホントかなぁ? まあ彼らが言うんだからそうなんだろ。

「オ・モ・テ・ナ・シ。おもてなし~」

東京オリンピック招致での滝クリのスピーチを思い出す。まさにこれが日本のおもてなし文化。そうかぁ、外国人はこれでメロメロになっちまうんだなぁ~。ハァ~ン。

私は接客の仕事を長くやってたから、外国人相手の接客経験はそれなりにある。今は接客も道案内もできない、しゃべれないし動けないから。道案内はちょっとやってみたかったなぁ。あ~あ。

②ゴミ箱がないのに道にゴミが落ちてない

確かに落ちてない。たま~に落ちてると目立つんだよね、「あ、ゴミだ」って思っちゃうからなぁ。
新宿や渋谷など繁華街の朝方なんかはさすがにあちこち落ちてるけど、それだって清掃員やボランティアさんが綺麗にしてくれ、日中はほとんど落ちてない。

彼らにはゴミが落ちてないことが「オーマイガー!」らしい。更に「オーマイガー!」なのが、路上にゴミ箱がないことだ。
「ゴミ~、ドコニステレバイイノヨ~!」って叫んでる外国人が溢れ返ってるという。そりゃ日本文化を知らない彼らはびっくり仰天だ。

昔はゴミ箱があったことは私の記憶にもある。
なぜゴミ箱がなくなったか聞いたことがある。理由はあの地下鉄サリン事件だそうだ。サリンをゴミ箱に入れられないように、テロ対策でなくしたらしい。あれはおぞましい事件だったからなぁ。

それ以来、日本人はゴミを持ち帰る習慣がついたということだ。
まあ現に捨てる所がないもんね。多くの外国人はゴミ箱がなければそこら辺に捨ててしまうというが、持ち帰るというのは日本人の特性かねぇ。試合終了後のスタジアムのゴミ拾いのように。

外出時に出る私のゴミ、持ち帰るのはヘルパーさんだ。
やってみたいなぁ、自分のゴミは自分で持ち帰る、そういう至って普通なことがやってみたいなぁ。昔はいとも簡単にできたのになぁ。あ~あ。

 

③治安がめちゃくちゃ良い


そんなに良いかなぁ。闇バイト系の犯罪が広がってるし殺人は多いし、毎日事件のニュースばっかりだ。まあ、銃社会でないことは安心だけれども。

それでも、落し物が戻って来る、夜間に女性が一人で出歩ける、店内の席に私物を置いてトイレに行ける……など、日本人の私達にとっては当たり前でも、彼らにとっては「シンジラレナイヨ~、アメイジング!」らしい。

彼らの国では、落し物はまず戻って来ない、夜間に女性が一人で出歩いていたら非常に危険、席に私物を置いてトイレに行くと席はたいていスッカラカン、ということだそうだ。もちろん他にも治安の良い国はあるが、日本は際立っているという。彼らが言うには「唯一無二」だって。

そこだな、日本人は平和ボケしてるって言われるのは。
そうねぇ、こんな風にエッセイ書いたり、ユーチューブ見て「ああ、美味そうだなぁ~」って常々思ってたり、何でもヘルパーさんにやってもらって、日がな一日を毎日過ごしている私は平和ボケの極みだな。

治安が良い……か。
そういえば、十数年前にファミレスのフロアのバイトをしていた時に食い逃げ犯を捕まえた。お会計をしないで出入口へ早歩きで向かう客を見た私は、急いで追いかけて、店を出た所で腰に手をかけて押し倒した。店長が警察を呼んで犯人を突き出すと、なんと食い逃げの常習犯であることが判明した。

刃物を持ってたらどうしよう……って思いながら必死で押さえてたけど、あの時はまるでスーパーヒーローだったなぁ。偶然の出来事だったとはいえ、そういう状況になっても今は何もできない。あ~あ。

ALSで闘病生活している 僕にとっての永遠のテーマ

➀②③と挙げたが、他にも「日本食がバカ美味い」とか「電車の時刻が超正確」など、挙げればキリがない。
なーんかね、まるで別世界で生活してる感じなんだよねぇ私は。

なんていうか……社会生活に参加してない気がするんだよなぁ。

ただ生活してるだけというか……そりゃ買い物に行くとかエッセイ書いたりとか好きなことはできるけど、それじゃなんか物足りない。

多分その原因は、私が手を動かせず、足で歩けず、声を出して話せてないからだ。普通のことを普通にできてた頃が懐かしい。

もっと色んな人と接したい、色んなことをしたい、できれば支援者を介さずに自分の力で。
これはALS患者にとって永遠のテーマかもしれないな。

う~ん、やはりiPS細胞しかないのか、何十年後か知らんけど。

ユーチューブで外国人旅行者の日本での反応を見てると、そんなことを考えちゃったりする時もあるんよ。
なぜって、私は人が好きだから。ああ、もっと若かったらなぁ……。

今の十代や二十代の若い世代が羨ましいな、国際交流みたいな教育を受けてる人が多いからね。私が若い頃はインターネットがそこまで発達してなかった。

学生時代に新宿歌舞伎町近くのラーメン屋でバイトしていたのだが、従業員にアジア系外国人が30人くらいの中で日本人が5人。そんな状況でも「交流する」って感覚は持てなかったなぁ。あ~あ。

  私はインバウンドは賛成派だ。もっと外国人には訪日して欲しいと思う。ちょっと気になるのがやっぱりオーバーツーリズムだね。
外国人旅行者のみなさん、観光地の人達は歓迎してるので、ルールを守りながらの観光をお願いしますね。

山村 ヒガシ

 

主治医の感想

ヒガシ氏は2025年1月に、気管切開+気管喉頭分離術を受け、その後は24時間呼吸器管理で自宅療養されています。

彼は以前劇団に所属して俳優を目指していただけに、演劇が大好き。
自分が演じられなくなってからも、演劇には足しげく出かけていました。その頃はNPPVは使っていても日中はフリーで大丈夫でした。

が、気管切開をして呼吸器管理になってからは、演劇鑑賞を止めてしまったんです。

その理由は、観劇中の痰の吸引、そもそも呼吸器の作動音がすることなので、迷惑になるのではないか?という心配です。

元演劇人だけに、舞台でリアルで繰り広げられている作品に、迷惑をかけたくない、という気持ちが、とても強いのではないかと感じます。

屋外で行われる現劇(のみならず芸術活動)だってあるわけだから、ヒガシ氏でも「人の迷惑」をあまり感じないで楽しめる演劇作品もあるんじゃないかと思う。
更に言えば、多少呼吸器がシュコーシュコーしてても、時々痰の吸引のためにうるさくなっても、「そういう人もいる」ということで、ヒガシ氏の様な方々が、負い目を持たずに芸術鑑賞できるシステムと文化を、この国で作っていけないものか?

できるような気がする。

それを世界中に誇れるような国、日本文化のすばらしさを見てもらうために、たくさんの外国人に来てもらえる国、にしていくことは、少子高齢化にあえぐ昨今、とても大事なことです。
(マナーとオーバーうーリズムの問題は、政治主導できちんとルールを決めてもらえばね。)

ヒガシ氏は四肢体幹が殆ど全く動かないし、自力では呼吸も十分にできない。でもそれがどうした、大丈夫、という国に、日本か進化していけますように。
ヒガシ氏のファンとしても個人的にも、そう願ってやみません。






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