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【イベント参加レポート】2.動画の作成について(前編)

【イベント参加レポート】2.動画の作成について(前編)

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【なにげない日常を記録していなかった】

日頃は「かつかつの介護生活」を送っているので、動画で記録するなどの心の余裕がありません。

患者の体調が落ち着いても、家族は気を抜くことも出来ず疲れがピークのままで、「なにもしたくない」という気分になりがちです(我が家の場合)。

つまり、動画の素材が「ほぼゼロ!」からのスタートで、タイトルは「支えあい ともに歩む」とし、訪問で関わっていただいている皆様にも主役として登場していただくドキュメンタリー風なシナリオ(回復と成長の記録)としました。

医療連携チームの皆様が主役!

 

【場面転換に工夫】

登場していただく皆様の場面を順に切り貼りするのではなく、それぞれサブタイトルをつけたり、フリーのBGMを差し込んだりして場面転換にメリハリをつけました。

また、主治医齋藤先生へのインタビューは、セミナー風動画にすることとし、文字情報はPowerPointで各場面の解説スライドを作成、さらにフリーイラスト(「いらすとや」、「看護roo!」など)を差し込みました。

動画のスタート画面

 

【構成その1】

①患者プロフィール(在宅診療がスタートするまで)
②主治医の齋藤先生、訪問看護師へのインタビュー
③看護師によるレティナでの吸引実技(お手本になりました)
④PT、ST、OTそれぞれのリハビリ場面、自主トレの様子
⑤食上げステップの振り返り、レティナ(保持用気管切開チューブ)の効用

 


訪問診療、訪問看護・リハビリスタート

 

さくらクリニックの主治医は、在宅療養となったときから齋藤先生に担当していただいており、「退院当時を振り返る」など4つの場面のインタビューをお願いしました。

また、訪問看護ステーションの看護師さんには、「会話が出来ない息子のために <言葉がダメでも心がある」など訪問時の心得などをお話しいただきました。

実際の医療処置の様子は、看護師さんによるレティナからの吸引場面を撮影させていただきました。レティナで吸引するのはちょっとしたコツが必要で、今回撮影させていただいた動画は、家族が吸引を行うときのお手本にもなりました。

 

訪問看護師による気管切開部からの吸引

 

【リハビリの様子を伝えたい】

脳挫傷により脳の一部を切除したためその影響がどのように出るか分かりません。入院していた急性期や回復期の病院で、高次脳機能障害や半側空間無視などの症状がでるのではないか、嚥下障害で喉頭気管分離手術が必要になるのではないかなどというような話ばかりを聞いていたため心配が膨らむばかりでした。

しかし、先天性の重度の障害があったことから、もとからの障害に原因があるのか、それともこの脳挫傷によって新たに出現した障害なのかの判別ができず、これが先生方の診断・評価を悩ませる結果となりました。

在宅でのリハビリテーションは、PTによる立ち座り・車いすによる足こぎ、腋窩介助による歩行訓練などを実施。廃用症候群で衰えた足腰の筋力を鍛えると共に、股関節のストレッチや、体を動かすことによる呼吸機リハビリテーションもこなしていきました。

 


筋力回復を目指し自主トレーニング

 

また、関節可動域の改善や体幹保持など、OTさんにご指導をいただいており、指先を使うリハビリの成果として展示会に出品する「桜」の切り絵を完成させました。

一方、気管切開手術により「禁食」となり、退院時に「口から食べること」はこの先も困難(摂食・嚥下障害)と言われていました。しかし家族としては再び食べさせたいという希望から、齋藤先生とクリニックの医療相談員Kさん(当時)に相談し「チーム・食上げ(しょくあげ)!」を組んでいただきました。

 


口から食べられるように嚥下訓練

皆様のご支援の元、退院から半年後(気管切開から1年後)には少しずつ経口摂取が出来るようになりましたが、いまでも誤嚥は完全には無くなりません。

ハラハラは続いていますが、それでも一日のうち2食は家族とともに食卓を囲んで食事ができるようになっています。

 

在宅での「家族のチカラ」がプラス方向に!

 

【レティナへの道】

禁食から脱却できるようになったのは、カニューレの変更が大きな役割を果たしたと思います。

退院当時は、カフ付き2重管の気管カニューレを装着していました。これはなかなかマニアックというか多機能の製品で、

  • 2重管のため、痰で管が汚れたら内筒を抜いて洗浄し再び装着できる。
  • 内筒はスピーチ用窓付きなど数種類あり、目的によって使い分ける。
  • 内筒の先端には、人工鼻や開閉可能なスピーチバルブ、閉鎖弁など、患者によって必要なカスタマイズができる。
  • カフを膨らまして垂れ込んでくる唾液などを堰き止め、サイドチューブから吸引する。

 

在宅療養に移行後、機能的に優れたこのカニューレを駆使すると共に、一歩前進して「レティナ」に変更することができたのは、呼吸機を鍛えるリハビリ、嚥下トレーニング、スピーチバルブを使用しての発声練習など訪問リハビリのSTさん、PTさんによるご指導と自主トレを地道に続けていた成果だと思います。

 

【会場に気管切開孔を理解するために自作した模型を展示】

このレティナは、材質や構造が気管切開孔にフィットしやすいので、患者の気管への負荷が少ない優れものですが、シャツを脱がせるときや就寝中に毛布や布団を首に巻き込んだときなどに抜けてしまうことがあります。

現在は人工呼吸器は装着しておらず、抜けたからと行って呼吸状態が急激に悪くなることは無いので、落ち着いて再装着すれば大丈夫ですが、就寝中だと親がそばにいても抜けたことに気がつかない可能性もあります。気がつくきっかけは、「あれ?呼吸音が変わった」と感じた時などですが、常に耳をそばだてて寝ている過緊張状態が続くので、ゆったり睡眠がとれないのが悩みです。

カテーテルでの吸引やカニューレの再装着は目に見えない気管へ手探りで行う作業なので、それを「見える化」するため、ビニールホースを気管に見立てて模型を自作してみました。

これはレティナが抜けてしまったときの再装着の練習にも役立ちました。

 


レティナ可視化模型も会場に展示



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