比翼連理~ふたりの闘病記①(多系統萎縮症)
比翼連理~ふたりの闘病記①(多系統萎縮症)
2016年08月02日
■まえおき
近年はドキュメンタリー番組で神経難病が取り上げられることが増え、またSNSで発信する方も多くなりました。
特にALS(筋萎縮性側索硬化症)は、徳田虎雄さんが闘病しながら徳洲会グループの経営をする様子がマスメディアに流れたり(残念なことになってしまいましたが、ちまたにこの病気のことを知らしめる効果は甚大でした)、若い方々、例えば会社を経営しながらSNSやマスメディアで精力的に発言をしておられる藤田正裕さんや、元FC岐阜社長で、2015年に辞任されてからは、障害者支援や経営支援活動などを展開する新会社「株式会社まんまる笑店」(!)を設立してがんばっておられる恩田聖敬さんらがガンガン情報発信してくださっていることもあって、社会に広く認知されるようになってきていると思います。
iPS細胞の山中伸弥大先生も、バケツで氷水をかぶってアピールしてくださいましたね。
ALSに比べると、「多系統萎縮症」という病気については、情報発信されている方はまだまだ少ないし、どんな病気なのか一般には知られにくいと思います。
多系統に変性が及ぶから「多系統萎縮症」なので、病態が複雑で説明しにくいのです。ネットでググっても、情報が古かったり、医療従事者向けの難しい記述しか見当たりません。
このブログで「多系統萎縮症とは?」という総論を書きたいわけではありません。
この病気を発症してから19年間の闘病生活を送られ、11年間私が主治医として在宅療養に関わらせていただき、先日ご自宅で静かにご永眠された「村松英世さん」という方と、素敵な奥様との闘病の記録を残しておきたい、という思いで書いています。
その中で、病気の説明を折に触れて入れていきたいと思います。
時系列は前後します。まずは最期の状況から。