Home > what is 自宅療養, 患者さんのご紹介, 神経難病, 院内ブログ > 🌸訪問診療 見学同行記🌸

🌸訪問診療 見学同行記🌸

🌸訪問診療 見学同行記🌸



さくらクリニック練馬 院長の佐藤です。
当院では、訪問診療への見学同行を随時受け付けております。
詳しくはHP「見学同行へ参加しませんか?」をご参照ください。

7月30日に訪問に同行された のぞみ訪問診療所 林伸一先生 から、すばらしい感想文をいただきました。
褒められすぎて恐縮至極ではありますが、短時間の訪問同行でこんなにたくさんの学びを得てくださったことを多くの方に知っていただきたく、掲載させていただきます。

訪問同行後、即感想文を送ってくださったのに、掲載まで2か月以上かかってしまったのは、私の不徳のいたすところです。
林先生、すいませんでした。m(__)m

では、見学同行記をどうぞ。

自己紹介

私は病院勤務から転向し4年、また開業して1年の駆け出しの訪問診療医です。
私個人がお世話になっている医師からさくらクリニックの佐藤先生の事はお伺いしており、どのような診療をされているのか以前から興味を抱いておりました。
今回見学同行をする機会をいただき、当日の記録を共有させていただきます。

朝のカンファレンス

前日に訪問した患者さんと当日の予定を中心に、医師とスタッフ(看護師、事務)で30分以上かけて丁寧に議論されていました。
メインはもう1人の神経内科のドクターとの専門的な病態についての議論でしたが、看護師も脳神経の病態をとてもよく理解されている印象がありました。
普段から指示だけでなく病気について佐藤先生がスタッフに説明共有されていることが伺い知ることができました。

診療同行

診療所にあれだけ知識を持ったスタッフの方が何人もいらっしゃるのにも関わらず、さくらクリニックの訪問はドライバーさんだけで、同行スタッフはおらず、医師1名で診療されているそうです。
今回私が感じたその理由は後述します。

がん末期やフレイルの患者さんは在宅で診られる期間は短いことが多いのですが、さくらクリニックの患者さんは佐藤先生の専門性もあり、神経難病が多く、特に2年以上診察されているALSの患者さんが多いそうです。
お付き合いが長いこともあり、患者さんやご家族が佐藤先生を信頼されていることが、同行してよく分かりました。
ご家族のお気持ちは話しぶりや表情から推測することができるのですが、今回診療同行で拝見させていただいた患者さんは、全廃のALSのため眼球運動でコミニケーションされていることが多く(エアーフリックも初めてみました)、乏しい表情にもかかわらず、なぜそのように患者さんが佐藤先生を信頼している感覚を持ったのか後で思い返してみましたが、患者さんが佐藤先生に向ける眼差しからそう感じたのだと考えております。

今回は同行者としてお邪魔させていただきましたが、普段の診療では、患者さんのご家族やALS専門のヘルパーさんもいらっしゃいますが、佐藤先生お一人で患者さんの眼差しを受け止めながら静かで豊かな時間のなかで診療されているのだと感じました。

感想

1回の見学同行では伺い知ることはできませんが、病気の受容、気管切開、TPPVの適応など、長い時間をかけて患者さんのそばにいながら一緒に悩み、選択し、支えてこられたのだと思います。
敢えてスタッフを同行させない理由をお伺いし、いくつか理由を教えていただきましたが、今回の同行を通して、佐藤先生は長い時間のなかで醸し出された医師と患者さんの関係性を、マンツーマンの時間や空間のなかで大切にされている。それが一番の理由ではないか。勝手ながらそのように理解いたしました。

病院とは異なり、訪問診療は自由度が高く、クリニックによりやりかたも違います。
私のスタイルも全く異なりますが、多くのALS患者さんを診察している佐藤先生の、医師としての患者さんへの向き合い方を今回垣間見ることができたのは自分にとって非常に有意義でした。
また、繰り返しになりますが、ALS患者さんの信頼の眼差しは印象に残りました。まさに目は口ほどにモノを言うという表現が当てはまると感じました。
今回は同行の機会をいただき、ありがとうございました。

のぞみ訪問診療所 林 伸一

林先生
ありがとうございました。

のぞみ訪問診療所のHPアドレスを貼っておきます。
https://nozomi-cl.com/

同日訪問させていただいた患者さんを2名 ご紹介します。
梶浦智嗣さん
私のブログで何度かご紹介させていただいている梶浦さん。
私の患者さんであると共に、当院の皮膚科医でもあります。
(主治医が患部の写真と説明をmailで送ってご相談)
医師でもあり患者でもあるという 独自の立場から 貴重な情報発信をし続けています。
彼のブログ「Enjoy! ALS」は以前私のブログでも紹介させていただきました。
https://sakura-cli.jp/nerima/archives/3959

梶浦さんに相談しながら診療に当たった患者さん達のレポートもブログに上げていますので、ご興味がある方はどうぞ。
Enjoy! ALS~お仕事編~

梶浦さんとは、初診から6年半のお付き合いです。
少しずつ進行してゆく四肢の筋力低下、呼吸障害、嚥下障害、コミュニケーション障害等々とその都度付き合い、折り合いをつけてきました。
現在は24時間呼吸器管理で、四肢は全く動きませんが、目の動きで意思を伝え(エアフリック式文字盤と呼んでいます)、空圧スイッチを噛んで(カミカミスイッチと呼んでいます)コミュニケーションエイドを操作してブログや講演スライドを作り、研究開発に協力し、当院の患者さんの皮膚疾患のコンサルタントもしてくれています。

林先生は、華麗なるエアーフリック式文字盤でヘルパーさんとコミュニケーションをとる梶浦さんの様子に、いたく感動されていました。

 

J.K.さん

お誕生日おめでとうの一コマ

彼女とのお付き合いは3年弱。
手足の筋力は比較的保たれており、球麻痺(食べたり話したりすることが困難になる)と呼吸筋麻痺が先行するタイプです。
初診当初から呼吸障害がひどく、少し動いただけで息切れする状態でした。
入院中にNPPV(非侵襲式呼吸器)の装着を試すもうまくいかなかったので、訪看さんに協力してもらって1日10分ずつでもいいから、と練習を重ね、なんとか装着に成功。
しばらくは着けたり外したり、で生活できていたのですが、症状は徐々に進行。
NPPVの限界は、すなわち気管切開して侵襲式呼吸器を着けるかどうかの選択をしなければならない大きな岐路です。
悩んで悩んで泣いて泣いて、最終的に「呼吸器を着けて生きる」を選択されました。
気管切開して、NPPVのマスクが外れたすっきりしたお顔で退院されてきた時の笑顔は、今思い出しても感動します。

これは車椅子でのお散歩。
膝にのせているのは指さし用の文字盤。今も手の動きはけっこう保たれていて、右の人差し指でポンポン文字盤を指さしてコミュニケーションをとります。
これは琵琶を弾いているところ
「コンサートしよう」と話していた時期もあったのですが、残念ながら弦の操作が難しくなってしまいました。
少しずつ病状の変化があり、泣いたり笑ったりしながら、支援者のみなさんに支えられてご自宅で暮らしています。
ちなみに彼女は独居です。
悲観して泣いてばかりいた最初の頃に比べて、今は余裕のある表情や素敵な笑顔を見せてくれることが多くなりました。
過酷な病気に鍛えられて今の彼女があるのだなぁ、と感じると、またまた感動です。

梶浦さんにしてもJ.K.さんにしても、私一人にできることは僅かです。
ご家族・訪問看護ステーション・ケアマネさん・ヘルパーさん達、大勢のチームで彼らの生活を支えています。

在宅療養の現場を見学したい方、ぜひ「見学同行」からご相談ください。
(今のところ医療関係者の方を対象とさせていただいていますが、患者さんご本人やご家族の方も ご要望があればなるべくお受けしたいと思っておりますので、お声かけください。)






Copyright © さくらクリニック 練馬 All Rights Reserved.