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家族が認知症かも・・・どう対処したらいいの?(その1)

家族が認知症かも・・・どう対処したらいいの?(その1)



さくらクリニック練馬 院長の佐藤です。
「家族が認知症かも・・・ どう対処したらいいの?」というお題で、いつもお世話になっている孫の手倶楽部さんから7月にインタビューを受けました。
8月「孫の手だより」に紹介された記事を 当院のブログでも荒川が紹介してくれています。
https://sakura-cli.jp/nerima/archives/3364
が残念ながら、PDF画像なのでスマホでは読みにくいようです。
また、インタビューではもっとたくさん、いろんなお話をしました。
せっかくなのでそれも加えて なるべく分かり易くまとめて ここでご紹介したいと思います。

以下、Q&A形式で。

■老化による物忘れなのか、認知症によるものなのか、両者の症状の違いについて教えてください。

老化とともにからだの機能が低下していくのと同じように、記憶力も低下していきますよね。何しろ記憶力のピークは10代後半ですから。
では、どこまでが「年のせい」で、どこからが「認知症」でしょうか。
明確な線引きができるわけではありませんが、両者の特徴を描写してみます。

  • 老化による物忘れ
    経験したことや予定の一部を忘れる。思い出しにくい。新しいことを覚えるのが苦手。(人、地名、単語など)
    自分で「ぼけたかな?」と感じて、人にも気軽に「年だわ」、「ぼけてきちゃった」と話せる。
  • 認知症による物忘れ
    経験したこと自体を忘れる。
    記憶を盗まれた」ように感じる。
    新しいことを覚えるのが非常に難しくなる。
    一般的に「認知症患者は物忘れの自覚がない」と言われますが、病初期は決してそんなことはありません。内心「その記憶が全くない」ことに動揺するのですが、認めたくないのです。
    学歴や地位が高かったり、プライドの高い方ほどその傾向があります。
    恥ずかしい、屈辱的だ、自分がボケてきたなんて 想像するのも耐えられない。
    そんな人ほど 家族にも親しい人にも隠そうとします。
  • 例えば、「買った切符をどこにしまったっけ?」といった程度のことは 誰でもありますよね。
    あちこち探して見つけて、「ここにしまったんだった」と思い出します。これはよくあること。
  • それに対して、バッグの前ポケットに切符が見つかりました、でも間もなく また切符を探し始める。それを何度も繰り返すなら、ほぼ確実に認知症です。

 

  • 付き合いの浅い知人の名前が中々出てこないとか、あの人は今どこで何をしてるんだったか 忘れてしまう。この程度は生理的老化。(私も結構あります・・・)
  • でも 家族、普段から付き合いのある親戚、親しい友人やご近所さんについて、記憶が定かでなくなったら 怪しいです。

 

  • うちのおじいちゃん、大丈夫かな?と思ったら、ちょうどいい話題は、離れて暮らしているお孫さんのこと。
    名前、だいたいの年齢、今高校生か大学生か、あるいは就職しているか、等々、混乱が見られるようなら、認知症を疑ってください。
    (一般的に、新しいことから記憶が薄れていきます。もう就職したお孫さんを、中学生だと思い込んでいる、とか。)
    度忘れしてしまうこともあるでしょう。でも何度も同じことを尋ねるなら、認知症の可能性が高いです。

 

■家族に認知症のような症状が現れたとき、会話や行動などから、確認するポイントについて教えてください。

「疑いポイント」を挙げます。

  • 忘れたことを隠そうとする、ごまかす、否定する。指摘されると不機嫌になる、怒り出す。
  • 何度も同じことを聞く。「子供が帰省するのはいつだったか?」、「孫は今高校生だったか? 中学生だったか?」等。
  • どこに置いたか忘れてしまうので、いつも探し物をしている。
  • パソコンの操作、携帯電話の操作など、これまで出来ていたことができなくなる。
  • 無為に過ごす、あるいは寝て過ごす。
  • アルツハイマー型認知症の場合、道に迷う、簡単な計算ができない、服を着る手順がわからなくなり時間がかかる(着衣失行)等。


認知症のような症状が現れる、他の疾患にはどのようなものがありますか?

これは大事ですね。治せる認知症を見逃したらもったいないです。

  • 内科的病気が隠れていないか?
    • 体調が悪いと 頭の回転も悪くなりますよね。心臓病、腎臓病、肝臓病 などなど・・・。
      長らく健康診断を受けていない方は、まずは検診を受けましょう。
    • 降圧剤を飲んでいる方は、血圧の下げ過ぎに注意してください。
      血圧を下げすぎると脳に血が回らず、「ボケたみたい」に見えることがあります。最悪 脳梗塞の原因になりますので要注意。
      私は、高齢者の方は多少高めでも良しと考えて血圧をコントロールしています。
      収縮期血圧(上の血圧)が110以下なら、降圧剤を減量~中止しています。
  • うつ病の可能性
    うつ病は、脳と心のエネルギーが枯渇しそうになった状態。思考も回らずやる気も起きませんから、ご高齢者の場合は認知症と勘違いされやすいです。
    うつ病までいかなくても、悩みやストレス、睡眠不足などで「抑うつ状態」に陥っていないか?
    休息やお薬で症状改善できますので、見落とさないよう(医者に見落とされないよう)気をつけましょう。
  • その他、治せる認知症ではないのか?
    • 慢性硬膜下血腫
    • 正常圧水頭症
      この二つは頭部CTを撮ればわかります。
    • 薬剤性認知症
      • 抗コリン作用のある薬
      • 抗不安薬
      • 抗精神病薬
      • 抗うつ薬

いろいろありますね。

薬については、効果と副作用、飲み合わせなど 総合的に考えなければならないので、素人判断はダメです。必ず医者に相談してくださいね。

(その2に続きます)

 






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