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利用者ブログ【第1章 2- 親の宿泊体験(病室にて)】

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2 親の宿泊体験(病室にて)

 

リハビリ病院に転院して3ヶ月ほど経過した頃、「病院24時間」を知るため、親が終日付き添う「宿泊体験」がありました。

通常の面会時間10時~20時に加え、普段は知ることができない深夜・早朝のケアを体験します。

息子の病室はナースステーションに最も近い2人部屋でした。この部屋は常にドアが開放されていて、巡回以外の時間でも何かあれば(痰が詰まっているような咳が聞こえるなど)、すぐに看護師さんが対応できる部屋です。

ステーションに近いため夜通し明るく、また各部屋の観察モニターやセンサー音、ナースコールなどが鳴り響いているので、息子はよくこの環境で眠れるな思いますが、一番安心できる部屋でもあります。

親の宿泊体験は、退院後の自宅に近い環境で一晩過ごしてみることが目的でしたので、ステーションから離れた静かな個室を用意してくださいました。(師長は部屋のやりくりが大変です。)

個室と言ってもベッドが一つで親は床に寝ます。息子が動いたり、咳き込んだりすればすぐに分かります。親にとっては「非日常」の体験でしたが、退院すれば「日常」になります。24時間で「業務終了!」ではありません。毎日毎晩、365日ずっと付き添い介護が続きます。

【わかったこと1:食事の時間が思っていたのと違ってた】

この体験で、息子の食事(経管栄養:胃ろう)は1日に4回に分けられていることを初めて知りました。

・朝食(5時)ベッド上で寝たまま 400kcal

・昼食(11時)車椅子に座って 800kcal

・夕食(17時)車椅子に座って 400kcal

・夜食(21時)ベッド上で寝たまま 400kcal

通常の面会時間では11時の昼食と17時の夕食のことは知ることができました。また、「入院のご案内」には「患者さんは、8時、12時、18時の3食を食堂で揃って食べます。」とあります。食堂と病室の違いはあれど、てっきり同じ食事時間に3回の注入を行っているものと思っていました。

高齢者は必要なカロリーが少ないので1日に3回(1200kcalぐらい)で済むようですが、息子は若く身長も体重もあり、かつ、基礎体力をつけなければいけない時期なのでたくさんの栄養(1日2000kcal程度)が必要です。

体力や消化状況によって一度に注入する量をコントロールしたり、看護師さんの交替時間(日勤と夜勤の2交替)が影響する関係もあり、朝5時や夜21時の注入になるとのことでした。

4回の食事と言っても、毎回注入する栄養剤はすべて同じものです。食感も味も無く、これで満腹になるのかわかりませんが、栄養の時間は満足げにしていました。

しかし、自宅で「4回」の食事をきちんとやることは負担が大きく、ゆくゆくは親と一緒の時間で3回の食事にしたいところです。

【わかったこと2:夜間の巡回】

重症患者は、夜間のバイタルチェックや吸引などの必要な処置を巡回(就寝中2回)で実施していることでした。そのため、処置や観察の必要がない熟睡中の患者さんは、ペンライトに襲われることは無いようです。

なお、息子は、ナースコールの使い方が理解できません。痰が詰まって苦しい時でも看護師さんを呼ぶことができませんが、普段は巡回だけでなく、ステーションに近い病室で気に掛けていただけるので一安心です。

【わかったこと3:夜勤の看護師さんは思っていたより人数が少ないので大変】

体験した日は40数名の患者さん(同じフロア)に対して、夜勤は看護師2名、介護士1名の計3名が勤務していました。

巡回担当の看護師は1名のみ。処置が必要な患者は、脳疾患系の重症患者(息子は該当します。)などに限られるそうなのでそれほど多くはありません。

しかし、どう見ても看護師1名での巡回はとても大変だと感じます。

就寝時間は21時~8時ですが、深夜遅くまで寝ない人、逆に夜中の2時頃から起きてしまう人が薄暗い廊下を歩いていたりします。

トイレ帰りで部屋が分からなくなってしまったり、「家に帰る!」と言って徘徊している患者さんなどの対応がある時はとても大変な様子でした。

【息子のお試し外出や外泊は認めてもらえなかった】

入院中に「外出(買い物など)」や自宅での「宿泊」が認められる患者さんもいました。また、リハビリスタッフ付き添いのもとでバスや電車に乗ったり、家での実際の生活動作なども確認ができます。

しかし息子は気管切開しているためか、一時的といえども外出や外泊は認められませんでした。確かに家に「吸引器」はありませんし、外出するとなると看護師さんまで同行することになってしまいます。

そのため退院後の家での暮らしはもっぱら想像するしかありませんので、病院で24時間の医療的ケアを体験できたのはありがたかったです。



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